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山の手 「ざます」  言葉

 

ご無沙汰しております。 横浜店のKaidaです。

もうすぐ23日の秋分の日。 猛暑も収まり最近になって首をもたげてくるのが食欲。

近所のコンビニでもおでんが売られる季節となりました。

定番の焼き豆腐とタマゴは無意識に器の中にいれてしまいます。

そういえば、日本の有名な絵画に「お豆腐」が描かれているものがあるのをご存知ですか?

 

 

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(金比羅宮博物館蔵)

近代西洋画家の高橋由一の作品のひとつ。 日本の原風景を気取らない視点から描いた彼の作風はファンも多いです。

豆腐の構図はといいますと・・  そんなに美味しそうとはいえません。が素材の味が伝わります。

 

 

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高橋由一の作品といえば「鮭」。 日本人なら一度なら見たことがあるとおもうこの鮭の切り身の絵。 

 

よくあの人は「ぶれない」という表現がありますが、実にさまざまなサーモンの絵画を残されている方です。

 

さて今回焦点をあててみたいのが、有名な代表作の「花魁図(おいらんず)」

 

 

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(東京藝術大学蔵) 

彼の描く花魁はいわゆるうっとりとするような「美しい」 ものではありません。

この絵のモデルつとめた娼妓の小稲さんもこの絵を見たときに泣いて激怒したというエピソードも残っています。

なんだか頬骨も痩せて尖っていて、鼻は痩せ、眉も目も唇も毎夜の激しい労働で疲れて見えます。

なんといってもこの絵の見所は20本も超えるアクセサリーの櫛こうがいの髪飾り。

しかし、身につける人に安らぎや楽しさを与えるアクセサリーとしての本来の機能ではありません。

彼女を痛めつけるがごとく四方八方から彼女の頭に突き刺さるその櫛は「生きていく」強い生命力をも感じます。

 

さて、「~でありんす」という花魁ことばは有名ですが、「~ざます」という言葉ももともとは花魁ことばから派生したもの。

 

よく『ドラえもん』のスネ夫や『ちびまるこちゃん』のマルオ君のお母様が使っているあの言葉。 実際に使っている人はいるのかというと、います!! 年に何回か売り場でお客様で使われる方がいらっしゃいます。

 

「今日は上の催事場でOO屋のシラスを買うザマス」

 

正確にいうとザマスの「マ」は鼻にかかった鼻母音。フランス語のa~に近い発音。 カナ表記すると「ざ~ァす」でしょうか。

マンガのように「スネちゃま夕飯ザマス」とは違いました。

 

めったにないレアな言葉づかい、そして美しいその語尾の音にこちらもボルテージは上がる一方で接客も盛り上がります。

 

現存する「山の手ことば」を御存知の方がいらっしゃいましたらぜひ御一報くださいませ。

 

 

それではまた次回!

clumnist/KAIDA 戒田格

2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。学習院大学大学院フランス文学修士修了。好きなものは重いテーマを扱った小説。文学とファッションなど徒然なるままに書いております

fariero kaida

 

イラスト Oki  (今回はお休みです)

2012年アッシュ・ペー・フランス入社。以後goldie池袋店、横浜店を経て現在は渋谷パルコにて勤務する。多摩美術大学美術学部工芸学科卒業。独特なタッチの水彩画のストはお客様のファンも多い。

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