32

リンゴの罪

 

こんにちは。 横浜店のKaidaです。

突然ですが、お仕事すきですか?

普遍的すぎる質問で面食らいましたでしょうか??

 

以前こんなことが話題になりました。

経営難に陥ったフランスの工場を押収してほしいという仏政府からの要請に某アメリカのタイヤ製造会社が出した答えとは・・

 

「フランス人は3時間しか働かない! ばかげている。」

 

つまり休憩と昼休みに1時間、おしゃべりに3時間、仕事に3時間。フランスの労働組合はこれは<フランス人の働き方>だ、との反論。

 

これではまとまる話もまとまりません。

 

 

たとえば休みについて。

フランス人の頭の中はとにかく1年中バカンス。

「2月はバカンスなので子どもを連れてスイスへいく」

「復活祭の休みなので安いチケットでオランダへ」

「夏のバカンスは一家で南仏の海岸へいく」

もともと「バカンス」という言葉の語源はラテン語の「不在」から由来するもの。特に夏の季節の前は「出発する」がキーワードとなり、パリにじっと留まるのはよほどの勇気が必要。

 

そして、もうひとつは日曜日のパリ。シャッターのおりたデパートやブティックの前で観光客が呆然としている姿は珍しくありません。

 

そう、キリスト教徒が伝統的に多いフランスでは安息日の日曜日開店は「罪」なのです。

 

 

そもそもフランス人は「労働」を美徳としない国民性です。

もとを辿れば旧約聖書に由来します。

 

 

失楽園

 

 エデンの園にあった禁断の果実をイブがヘビにそそのかされて、この実を食べ、それをアダムに分けてしまう話。

 

 

林檎

 

結果として神の怒りをかい楽園を追い出されてしまい、労働という苦役をしなければならなくなってしまいます。

そう、フランス人にとって労働とは「罪」で悪いことなのです。 

 

一方、日本はどうでしょう。

アマテラスの神たちはトンカラトンカラと機織りをしています。 日本の神さまは働きもの、ということになります。神さまが働いているのだからわれわれは働かないわけにはいきません。

労働を宗教から観察してみるとおもしろいですね。

 

それではまた次回!

 

 

 clumnist/KAIDA 戒田格

2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。学習院大学大学院フランス文学修士修了。好きなものは重いテーマを扱った小説。文学とファッションなど徒然なるままに書いております

fariero kaida

 

イラスト Oki 

2012年アッシュ・ペー・フランス入社。以後goldie池袋店、横浜店を経て現在は渋谷パルコにて勤務する。多摩美術大学美術学部工芸学科卒業。独特なタッチの水彩画のストはお客様のファンも多い。

3oki