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マララさんと女子力

 

2月は受験のシーズン。

 

少し気になることに、ここ10年ほど、いわゆる「女子大」の人気の凋落があります。

私の世代では早慶蹴りの津田塾、東京女子の女の子もいたほど、それはそれは女子大のブランド力というのは絶大なものでした。そのほうが「男受け」もいいから。

下手に上位国立大学に行くよりは女子大へ。それは男性よりも学歴が良いと縁談に差し障りがあるという親の意向という驚愕の理由。

男が女へ抱く嫉妬ほど面倒なものはありません。

さらに顕著な状況として名門短大が年々消滅して4大、もしくは廃校。女性のライフモデルの激変とリンクしています。

では、それ以前はどうだったのでしょうか。

80年代の女子の王道は短大から大手企業に一般職で就職、2~3年で結婚し寿退職。 大手企業にとって女子社員は職場の華。「男性社員の花嫁候補」として採用していた時代がありました。

能力よりも「身元」、「容姿」、「自宅から会社は近いか」などが重要視されていた時代。

いまでは考えられないことなのですが求人票に「容姿端麗であること」と大きい文字で平気で書かれていました。

この当時は今ほど「言葉」の重みが無かった。いま考えると偏った男性目線がまかり通っていたかも。

「容姿端麗であること」という意味の裏には、男性社員は「職場の華」的な女性がいればそれだけで男性社員は仕事を頑張れる、という意味が含まれています。

このころは日本は右肩上がりの経済成長。 その環境で男性社員は「経常利益」を出せた、ある意味非常に <おおらか> な時代だったのです。

今となっては隔世の感があります。

 

しかしいまの時代になっても女性が働くことや学ぶことの権利さへも訴えることが「命がけ」の国もあります。

 

遅ればせながら、そのような渦中にあるマララさんの御著書を拝読いたしました。

若干16歳にして非暴力によって子どもやの女性の教育の大切さを訴えるマララさん。

テロリズムによって生活が一変した家族の物語が綴られています。

 

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「女子のための学校は、イスラム教で禁じられている。神への冒涜だ。学校を閉鎖しろ。女子は学校になどいってはならないのだ。女子は神聖なものだ。だからこそ家の中に入れておかねばならない。」

これはマララさんのお父さんが学校を経営するものの周囲の猛反対に遭っている一場面。

 

マララさん

イスラム法では法廷における女性の証言は男性の証言の二分の一。国中の刑務所は女性でいっぱいになるケースもこの本では紹介されています。

また女性は男性の許可なく銀行口座も開設できず、いくつかのスポーツは女性がすること自体禁止されているものもあります。

女性がまだ男性の「所有物」としてしかみなされない国もある一方で日本のように女性の権利を大切にする国もあります。

翻って日本の「女子大」などの女子教育の歴史の原点はマララさんと同様に女性の教育の場がなかったことから由縁しています。

このような時代だからこそあえて「女子力」ということばに耳を傾けてみたいな、と思います。

ここでいう「女子力」はあくまでも<男受け>をねらった手練手管をねらったアレなものではなく、自分自身が何者にも影響されず快適に過ごせるという意味。

 

 

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(Marianne Batlle氏の作品より)

男目線からgoldieの商品をみていると、いわゆる合コン向けの男受けが良好なものを集めている、というわけではありません。

 

むしろ自分自身がいかに美しく、自然な状態でいられるかを念頭においた商品構成となっています。

 

マララさんの活動をみていると、やはり女性はいかに自然な状態でいられるのが困難な状況下におかれていることを痛感します。

それは現代においても変わらないことだと思います。

 

そのような時代だからこそ今年の春はぜひ、自分自身を解放するよう素敵な出来事がおこりますように、と感じる今日このごろであります。

 

clumnist/KAIDA

2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。学習院仏文にて詩人の吉田加南子先生にお習いする。好きなものは重いテーマを扱った小説。文学とファッションなど徒然なるままに書いております。

 

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イラスト Oki

2012年アッシュ・ペー・フランス入社。以後goldie池袋店、横浜店を経て現在は渋谷パルコにて勤務する。多摩美術大学美術学部工芸学科卒業。独特なタッチの水彩画のストはお客様のファンも多い。

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