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花魁 de 成人式

 

 

今年もあっと言う間に1月が終わろうとしています。

1月といえば成人式。

毎年変わらない大荒れな成人式。この報道は恒例となりましたね!

じつはこの成人式にちょっと違和感を感じる新成人のお嬢さんのお着物についてが今日のコラムのお題です。

 

お題の「花魁 おいらん」にもありますように、最近このスタイルの新成人を成人式で多数派ではないまでもちょくちょく見かけます。 寒いのにほぼオフショルダーに着付けをされているお嬢さんもいらっしゃいます。

 

花魁のお着物は前結びの帯だったり、かんざしだったり、歩き方だったり、いつの時代も斬新な形式美のひとつ。うなじから背中まで大きく露出したセクシーな着付け。床をするような長い丈。ちらちら見える太もも斬新です。

きっと彼女たちが花魁風の衣装をセレクトしたのもそんな華やかな体験をしたい「コト体験」という何気ない理由でしょう。

この帯を前にするのは諸説ありますが、 ひとつは花魁なので自分を豪華に見せて格を示さなければならないので帯の華やかな部分を見せるためとも言われています。

そしてもうひとつは江戸時代の既婚女性は帯を前結びしていた習慣から遊郭での前結びには「一夜妻」との意味も。

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(千葉市美術館所蔵 鳥居清長 美里見十二候九月)

 

 

さて先日、荒川区三ノ輪駅から徒歩1分ほどにある浄閑寺にお参りにいってまいりました。ちょっとディープな初詣。

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一見、なんでもないお寺なのですが実は知る人ぞ知るお寺。

別名 投げ込み寺。

 

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遊女から花魁になり客にみそめられて身請けをされるものはほんの一握り。

中級くらいの遊女でも当時で100両の身請け金額ですから今でいうと約3000万円くらいでしょうか。 それ以外の遊女は借金を払い終わる年明けまで病気で亡くなるのがほとんどといわれています。

そしてこういった吉原の遊女が20000人ほど投げ捨てられたお寺として浄閑寺は有名で永井荷風もこのお寺と縁があることでも知られています。

 

そんな遊女たちが眠るのがこちらのお墓。

 

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この横を見るとたくさんのお骨がところ狭しと置かれているのが見ることが出来ます。 霊感が強い人は感じるらしいです。

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こちらのお寺の川柳は「生まれては苦界 死しては浄閑寺」

遊女の務めは「苦海十年(苦界)」ともいわれます。

18歳から27歳くらいまでのあいだに店が彼女たちの親に支払った<身代金>を働いて返さなければなりません。

 

 

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この写真は花魁の「若紫」。とても悲しい最期をむかえる花魁として有名です。この若紫のお墓がこちらのお寺にあり、私が訪ねたといもお花が手向けられていました。

 

ファッションにはそれぞれ意味や文化があります。 着物の帯にもそれぞれ意味合いや歴史があります。

成人の日はご家族でお譲様の成長をお祝いしご両親に感謝する日です。 花魁の華やかさだけをみてしまうと見落としてしまう大事なことがあります。

 

ちょっとネットで調べてみること。そんなひと手間が大切かもしれません。

 

さて自分の着るモノをいちいち人に相談しない私。

この成人の日が来るたびにに人の意見を聞こうかな、と毎年反省する日ともなっています。

「わたしの着るモノや判断は間違っていませんか??」

そんなアドバイスを求めれるような人は周囲になかなかいないものです。

さて今回は華やかな花魁の影にかくれた悲しい遊女のお話をご紹介いたしました。

 

また次回までごきげんよう。

 

 

 

コラム 筆者 Kaida

2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。 学習院大学フランス文学修士修了。日本フランス語フランス文学会会員。雑学とファッション、社会学など顧客様に励ましのお陰で不定期ながらも執筆しております。

 

FLO Kaida 20160325