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断舎利の落とし穴

 

ある日ふと来なくなってしまったお客様のことを思い出すことがあります。

以前はお越しになりお買い上げになってくれたお客様が来なくなった理由はさまざま。

お仕事の都合で転職された方、家族の介護、子どもができた、親が鬼籍に入った、などなど。

そのなかでも引越しを機にお越しにならなくなった方は特に多いような印象を受けます。  引越しといえば「断舎利」は避けて通れない作業ですね。

<断>入ってくるいらないモノを絶つ。

<捨>家にずっとあるいらないモノを捨てる。

<離>モノへの執着から離れる。

断舎利(だんしゃり)とは山下英子氏の著書で発表された言葉。不要なモノを減らし、生活に調和をもたらそうという思想です。

不要なものをどんどん処分していくという行為は気持ちの良いものです。

頭もスッキリするというか妙な爽快感がありますよね。

ひょっとしたら引越しの際にモノを増やすのはやめよう、と思考回路がかわってしまったお客様かもしれません。

 

ところで・・・

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最近このタイプの『フランス人は~しかしない』『フランス人が~する理由』のタイトルを見かけます。

内容は似たり寄ったりですが大筋シンプルでミニマルな生活の魅力的な提案がされています。

 

たとえばクローゼットの整理について。

流石にこれはもう着ないかも・・。

あれもずっと袖を通していないから要らないかも・・・。

このアクセサリーはもう何年も身につけていない。

ネットで調べた断舎利のマニュアルにしたがってモノに真っ先に別れを告げるのはおそらく登場回数の少ないく<あわせにくい>ものでしょう。

<あわせにくい>モノを処分してしまってわかるのですが、着まわしや使い回しのできる便利なものだけで纏めてしまうと、緊張感がなくなってしまいがちなものです。

そして<あわせにくい>モノを文字通り自分のモノにしようとするオシャレに対しての「腕」が落ちてくるのを自分が一番がわかるもの。

ぜひ溢れ返ったワードローブの中を断舎利をする際はちょっと「手のかかる」洋服やアクセサリーに注目して残してみてはいかがでしょうか。

 

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執筆 戒田格

学習院大学大学院フランス文学修士修了。日本フランス語フランス文学会会員。2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。横浜店7年目突入。

テニスのジョコビッチ選手を見習いグルテンフリーの食生活を始めました。