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ハンカチ文化

 

春の訪れは桜の開花以外にも知らせてくれます。

それはスギ花粉症。

もはや公害と言っていいほどの国民全体を巻き込む現象となりましました。不思議なものでアレルギー反応のスタートの日は明確です。私の場合は今年はホワイトデーの前日の3月13日。 出勤前に止めどなく水のように流れる鼻水を止めるべく早朝にドラッグストアに駆け込みます。

しかもその市販薬が高い。1週間分で2000円を優に超えるものがほとんど。あ、点鼻薬や目薬、ティッシュも買わないといけない。朝から予想外の出費に出勤前から萎えてしまいます。

ポケットティッシュではこの症状に対抗するには追いつかないのでボックスティッシュを購入。人前で洟(ハナ)をかむのは下品な行為とわかっていてもこの時期はみんな人前で洟をかむのを躊躇している心理的な余裕もない姿があちらこちらで見かけられます。

電車のなかでも、交差点でもみんなシュンシュンと辛そうにしている。

さて一方ではフランスはどうかというとあんまり花粉症に対してさほどアイテムが充実しているとは言いがたい。 しかも洟をかむときはハンカチに相当するムショワール(mouchoir)が主流。

洋画でも男性がジャケットから大きなハンカチをだして爆音で洟をかむシーンを観た事があるのではないでしょうか? 海外の日本人にはよくわからない文化の一つですね。「きったないな~」なんて、思ってしまいます。

たしかにフランスにもポケットティッシュのようなものは売ってはいるものの紙ナプキンのような厚い紙で日本人のデリケートな鼻には不向きなもの。

 

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<画像引用 ウイキペディア>

これはさすがになあ・・・・、という紙の質感というのがおわかりでしょうか。これでは鼻の粘膜が傷つきそうです。

フランスにハンカチが誕生したのはルイ14世紀のころ。このころ新大陸からもたらされたタバコは現代と同様に煙が宮廷で嫌がられたということもあり、鼻の奥に粉末を吸い込む嗅ぎタバコは流行り始めました。

現代で言うところのアイコスやグローのような煙や匂いが少なく灰テーブルを汚さない電子タバコのような役割に近いですね。

しかしこの嗅ぎタバコ、鼻の奥に粉末を吸い込むのでクシャミを誘発します。クシャミをすればおのずと鼻水や唾が飛散するのでハンカチが考え出されたといわれています。

フランスの宮廷社会ですから自ずと見せびらかすように高価で煌びやかな布地のハンカチが流行。当時の上品なクシャミの仕方の作法の指南書も存在します。

さてこのハンカチ。 よく粗品として送ったり送られたりしますね。今治タオル産の可愛いハンカチなど頂くととても嬉しいものです。

でも海外の方、特にフランス人にとってハンカチやタオルを贈るのは好ましくないアイテムのひとつ。

「あなたは衛生的に問題があるからこのハンカチでどうにかしてください」みたいなニュアンスとして受け止められる可能性があります。 どちらかというと「役に立つ」アイテムよりも「特別役にたつわけではないけれど私のことを思い出してくれるモノ」を進物としてお渡しするのがよろしいかと思われます。

そういえば来月5月13日(日)は母の日ですね!ものぐさな私は休憩時間の合間に毎年タカシマヤのお花屋さんの薔薇のフラワーブリザードを贈っています。去年はオレンジだったから今年はレッドかな、、、みたいなノリです。

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承知のとおり「特別役に立つ」モノではありませんが、なんとなく自分のことを思い出してくれればな~、と義務のように贈っております。

さて皆さまの母の日のプレゼントはなんでしょうか?実用的で役に立つなアイテムか、もしくはその正反対か。悩むところですね!

 

コラム  戒田格(かいだ いたる)

 

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2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。横浜店7年目絶賛突入中~。学習院大学仏文学修士修了。美味しいチョコレート探しています!