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ヴィンテージからあふれる愛とユーモア

Brand Dictionary

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The Magpie & The Wardrobe

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自ら集めたヴィンテージのチャームやファブリックで、ユニークでどこか懐かしいアイテムを作るThe Magpie & The Wardrobe(ザ・マグパイ・アンド・ザ・ワードローブ)。
このブランドを手掛けるのは、ロンドンでフリーのアンティークバイヤーとして活躍していたSam McKechnie(サム・マック二ー)。2002年に「よりパーソナルなものを作りたい」とアーティスト活動を始めてすぐに、ロンドンのバイヤーの目に留まり、本格的にブランドをスタート。イギリス国内外のセレクトショップやインテリアショップなどで置かれるようになる。

イギリスの片田舎で生まれたSamは、アンティーク好きの母親の影響で、自然と古いものへの興味を持つようになった。若い頃は、逆にパンクやロックにのめり込み、スタッズのついたレザージャケットに、モヒカンへアーという今では想像もできないパンク少女だったそう。単にアンティークやヴィンテージなだけではなく、彼女独特の相反する色やパーツの組み合わせなどどこかに毒気のある彼女の作品には、そんな今までの人生が反映されているのだ。

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彼女の作品のインスピレーションの源は、ロンドンや様々な場所での蚤の市やマーケットで見つける古いおもちゃやパーツ、ファブリックの品々。自身の審美眼で集めたアイテムを、一つずつ丁寧に気持ちを込め、アクセサリーやバッグに仕上げていく。

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そのどれもが時を越えてなじんでいくような不思議で優しい感覚を与えてくれる。「素敵なものを見ると、すぐに物語が浮かぶ」という彼女が作るアイテムは、ヴィンテージの素材を使うため2つとして同じものがない。この世にひとつしかない美しいものを表現することを大切にしている。

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そして、もう一つのエッセンスは、古いおとぎ話やおまじない。しばしば、作品に古いラッキーチャームや言い伝えのあるモチーフを選び使ってきた。
そんな彼女の思いをひとつの形にしたのが、2015年秋に出版した「The Magpie & the Wardrobe – A Curiosity of Folklore, Magic and Spells」という本。

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世代を超えて人々を魅了してきたイギリスの古くからの伝統と興味深い習慣をSamならではの愛らしいヴィジュアルで綴られたもので、月ごとの風習をレシピやおまじない、伝説を交えて紹介している。いつか本を出版するのが夢だと言っていた彼女の思いとユーモアが詰まったこの一冊は大好評を博し、すぐに2冊目の依頼が飛び込んだという。

そして昨年、出来上がった2冊目の著書は「MISS VIOLET’S DOLL’S HOUSE–Magical makes for your miniature world」。

この新しい本は、ドールハウスをテーマにしたもの。ドールハウスは16世紀ごろ、貴族の趣味として自身の邸宅をミニチュアサイズで作ったのが始まりと言われているそう。ただし、この本では、もっと簡単に、誰でも身近に作れるドールハウスを紹介している。ドールハウスがなくても、例えばカップボードの中やシューズボックスにベッドルームやキッチンを作るように・・・。

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本を開けば、そこにはSamらしいエッセンスが随所にちりばめられている。小さなテーブルには大きなリンゴがのせられているように、実際にはあり得ないスケールのコントラストが大好きという彼女。おとぎ話の世界に入り込んだようなドールハウスは、日常から離れられるファンタジーだ。Samは言う、「小さなものについてあれこれ思いを巡らせ、作り始める時はすごく集中し、他のことを忘れます。そうすると段々と落ち着いて穏やかな気持ちになれるのです」と。

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古いものが大好きな彼女は、もともと収集していた手元にあったものでドールハウスを作り始めた。この本では、取れてしまったボタンや片方になってしまったイヤリングなど、引き出しの中の思い入れのある可愛いけどどうしていいかわからないものを生き返らせるこの出来るアイデアが詰まっている。
古い木の糸巻きは上にクッションをのせてスツールに、トランプのカードはフリンジを付けてラグマットに、ボール紙にアルミホイルを貼ればウォールミラーに、というように。
ミニチュアの世界の中なら、可能性は無限大なのだ。
「このドールハウスを作るのは何も難しいことではありません。思いついたことはこのミニチュアの世界なら何でもできるのです。あなたのインスピレーションに対して、常に目を開き続けていたら。」

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本の最後には、付録としてこの本の主人公であるミス・ヴァイオレットのペーパードールが付けられている。着せ替え用の様々な洋服もあり、作ったドールハウスに合わせてドレスを選ぶことが出来る。
このミス・ヴァイオレットのキャラクターは、前作の出版記念に来日した際に、言葉の通じないファンとの壁を自ら取り去るため、とっさに女の子の絵を描いたことがきっかけで出来上がったもの。こんな話もSamの暖かい人柄をうかがわせる。

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家を訪れたゲストにあたたかいミルクティーとおいしいケーキでもてなすように、今回の本でもドールハウスのたくさんのアイデアを披露している。いつも人への思いやりを何よりも大切にする彼女だからこそ、彼女の作品にはユーモアあふれる仕掛けと優しい雰囲気で満ちている。
また、彼女の思いは集めてきた品々へも同様で、大量生産が溢れる今だからこそ、時を越えて受け継がれていくべきとても貴重で愛おしい存在。ほかの人に価値が分からなかったとしても、この世に一つのストーリーと魅力を感じ、新たな命を吹き込んでいくことこそ、彼女のライフワークなのだ。

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そんなSam McKechnieが2冊目の著書を携えて、4月初旬に来日する。4月6日(金)より、goldie H.P.FRANCE全店にて新作コレクションと本の発売するほか、各店でスペシャルアイテムを販売するショップイベントと一緒に小さなドールハウスを作るワークショップを開催する。ぜひ、愛にあふれた作品と彼女自身に会いに来てほしい。

TEXT by TAKAHASHI

The Magpie & The Wardrobe
「MISS VIOLET’S DOLL’S HOUSE」出版記念
デザイナー来日イベント開催

◆ショップイベント
サム・マック二ーが来店し、今回のイベントのためだけに作られたアートワークや雑貨を販売いたします。また、ヴィンテージチャームをご自身でカスタムする世界に一つだけのネックレスとブレスレットもご用意いたします。

【開催日程】
■4月7日(土) 15:00-16:00 goldie H.P.FRANCE 名古屋店
■4月7日(土) 18:00-20:00 梅田店
■4月8日(日) 14:00-16:00 博多店
■4月14日(土) 15:00-17:00 新宿店

◆ドールハウスワークショップ
※ワークショップはご好評につき定員となりました。
アーティスト サムと一緒に、本の内容に合わせて、小さな寝室を制作します。デコレーションを自由に選びながら、世界でひとつだけのドールハウスを完成させてください。

【開催日程】
①【受付終了】4月7日(土) 11:00-13:00 会場: goldie H.P.FRANCE 名古屋店
②【受付終了】4月14日(土) 11:00-13:00 会場: ホテルセンチュリーサザンタワー プライベートルーム(新宿)