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マドレーヌ誕生秘話

ちょっとしたお礼やプレゼントとしてお菓子が思い浮かびますが案外これが厄介な問題をはらんでいます。お菓子のジャンルはその進化とともに個人の嗜好が細分化。

チョコレートにしてもカカオ70%以上のものしか食べない。

オレンジピールが入っているのは頭痛をおこすからムリ。

カステラはもさもさした食感が嫌い。

和菓子にしても粒餡は食感が苦手。

ベージュの色の食材は炭水化物だから控えたい。

究極は小麦アレルギー、グルテンフリー中だから洋菓子全般は全てお断りなど。

 

「あら、もうご勝手にどうぞ」と言いたい所ですが、そこは本人の好きな銘柄や食材のリサーチを念入りにするのが大人の知己。特定の食品に対してのアレルギーがある方には特に注意しなくてはいけません。

そんな中、まあほぼ無難なのがヨックモックのシガール。

そしてマドレーヌなんかもほぼ乳製品や小麦アレルギーの方を除いて受け入れやすい巨大なマスであると想定されます。お中元でもよく利用させて頂いております。

和菓子に関しては複雑なジャンルなのでもうちょっとその方と親しくならないと嗜好が分からないのでパスします。

さてデパ地下にもところ狭しと売られているマドレーヌ。その誕生秘話が興味深いのでご紹介しますね。

いつの時代にも癇癪(かんしゃく)を起こして職場放棄してしまう人はいるもの。

ロレーヌ地方のコメルシーで1755年にポーランド王のスタニスクラス・レクチンスキーのお城で宴会が行われていました。

ところが彼のパティシエが厨房で仲間同士でいさかいを起こし仕事を放棄した上に作りかけていたパイ料理、フルーツタルトなどもことごとく破壊して立ち去ったといわれています。

その修羅場に彗星のごとく登場したのはその場に居合わせた若い召使いのマドレーヌ・ポルミエ。

彼女は祖母におそわったという直伝のお菓子を卵の泡だて器を使ってすばやく作ります。

それは宴会の人々に賞賛を浴びやがてマドレーヌという銘菓となりました。

後にコメルシーでは一大産業となり品質向上と量産体制が整い価格も下がりました。 駅弁売りのようにマドレーヌの入った四角い籠をさげてコメルシー駅で売られたといわれています。

夕食後にマドレーヌの習慣はフランスに定着しこの国を代表するお菓子となるのです。

お薦めのマドレーヌがありましたらぜひご教授くださいね!

 

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コラム  戒田格(かいだ いたる)

 

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2011年アッシュ・ペー・フランス入社。 横浜タカシマヤのgoldieにて勤務。横浜店8年目絶賛突入中~。

学習院大学大学院フランス文学修士修了 専門はロートレアモンなど19世紀フランス詩。

最近の休日は梅園のこし餡をあてに独りバーボンオレンジ割りで宅飲み~。